線路事業RAILWAY

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高度な技術力が、安全と快適さをお約束いたします。

線路事業は、JRから委託されて線路の保守を行うとともに、北陸新幹線などの線路の新設を行っています。
線路の保守や新設では、わずかな誤差も許されない高度な技術力と安全性が求められる仕事です。
私たち広成建設は、これまで培ってきた技術力により、お客様の安全な環境つくりの一端を担っています。
また、『線路学園』で新入社員の教育・育成や若手社員の技術継承を行うとともに、『若手技能競技会』や
『社内技術発表会』などにより切磋琢磨して、技術力や安全性を確保・継承しています。

「保守・整備」

大型機械編成

SES
PCマクラギ交換(新幹線)

平成28年度から、新幹線の地震対策の推進のためにJR西日本が導入した世界で1編成しかない新幹線まくらぎ交換機編成(通称、SES)を使って、新幹線のPCマクラギ交換をしています。広成建設では、SESを使いこなすための様々な検証を行いながら、まくらぎ交換をおこなっています。

橋マクラギ交換機(在来線)

橋梁上の橋マクラギ交換は、高所作業で墜落の危険もあること、また省力化を目的として、橋マクラギ交換機を導入し、橋マクラギ交換を行っています。
橋マクラギ交換機は協力会社の技術者が操作を行い、広成建設では作業計画や工程管理の役割を担っています。

切替工事指揮

旧線路を新たな線路に振って接続することを、切り替え工事といいます。切り替え工事では、通常の保守と異なり、多くの協力会社の作業員が連携して、工事を進めなければなりません。広成建設では、工事の計画・工程管理などを行います。

広成建設は、作業前に協力会社の作業員に作業方法・手順並びに安全対策について説明を実施します。

広成建設は、多人数の協力会社作業員が行う作業の工程管理や安全指導などを行います。

詳細な品質管理は、直接広成建設社員が確認しながら指揮しています。

「線路の新設」

新幹線新設 軌道敷設工事

九州新幹線 鹿児島出水工区

広成建設は、九州新幹線鹿児島出水工区を担当し、新線建設しました。

九州新幹線 鳥栖工区

広成建設は、九州新幹線鳥栖工区を担当し、新線建設しました。

北陸新幹線 高岡工区

広成建設は、北陸新幹線高岡工区を担当し、新線建設しました。

在来新設線

おおさか東線

広成建設では、おおさか東線の西吹田・神崎川間を新設しています。

可部線電化延伸事業
廃線からの線路復活

可部線 可部・あき亀山間の電化延伸事業において、線路の新設工事を行いました。

海外への新幹線軌道敷設

台湾新幹線技術指導

山陽・東北・九州新幹線で培った軌道敷設の技術を、台湾新幹線新設において技術指導者として参加しました。

保線作業

鉄道の建設、保守工事は、わずかな誤差も許されない高度な技術力と安全性が求められる仕事です。広成建設は、縁の下の力持ちとして皆さんの旅の安全を守ります。保線技術や専門用語など、線路に関する豆知識をご紹介します。

線路の豆知識

基礎知識

【レールの長さ】

  • 1. 鋼くず(鉄くず)・・・1m未満のレール
  • 2. レールくず・・・1m以上5m未満のレール
  • 3. 短尺レール・・・5m以上25m未満のレール
  • 4. 定尺レール・・・25mのレール
  • 5. 長尺レール・・・25mより大きく、200m未満のレール
  • 6. ロングレール・・・200m以上のレール

【レールの重さ】

  • 1. 30kgレール
  • 2. 40kgレール
  • 3. 50kgレール・・・PS型、N型、T型などの型があります。
  • 4. 60kgレール・・・1mあたり60kgのレール。新幹線や主要幹線のレールはこれが用いられます。
    他の3つと違い、継目板を固定するための穴が6つ開いているのが特徴です。重いレールはそれだけ圧力も強く、ボルト穴を大きくすると亀裂が入って折れやすくなることから、ボルト穴を小さくする代わりに、ボルトの本数を増やすことによってレールをより強固に固定しています。
初級編

【レールの伸縮】

  • 1. レールは鉄なので、夏の暑いときには伸び、冬の寒いときには縮まります。そのため継目には「遊間」というすき間がつくられています。
  • 2. レール温度(本州地方)は最高60℃から最低-10℃まで変動されると言われています。
  • 3. ロングレール以外のレール敷設は、レール温度45℃で遊間がゼロになるように設定されているので、レール温度が45℃以上になるとレール内部に軸力(圧力)が溜まります。このような時に作業を行うと、レールに歪みが生じる(張出する)ので、作業はできないようになっています。
  • 4. ロングレールについては、そのレールを敷設したときの設定温度が基準となります。(不動区間)

【安全レール】

橋や高架など、電車が脱線したときに墜落などの二次災害を起こさないために、このような箇所には本線レールの内側及び外側にレールが敷設されています。そのためこのレールが誘導レールとなって、脱線した列車の墜落を防ぎます。
※新潟の上越新幹線脱線事故が教訓となっています。

【波状磨耗】

波状磨耗は、トンネル内(特に漏水の起こる箇所)などで発生しやすい。その他路盤との絡みで、同じ箇所において発生しています。波状磨耗が発生すると騒音が激しくなり、さらには上部架線にも悪影響を与えています。波状磨耗が3mm以上になると、レール交換するかもしくはレール刷正することになっています。

【継目板の重要性】

ロングレール以外の箇所は一般に継目板によって接続されています。レールの継目部分は列車の通過による衝撃が大きいため、継目板の切損及び継目落ちが発生しやすいのです。切損すれば大変危険なので、発生してもすぐに取り替えています。
継目落ちが大きくなると列車の上下動が大きくなり、パンタグラフから火花が出るときがあり、パンタグラフの損傷の原因になりやすいです。

中級編

【可動クロッシングと固定クロッシング】

ポイントの交差部分には2種類あって、転轍器の動きに連動してその交差部分も動くのが「可動クロッシング」です。
交差部分が固定されているのが「固定クロッシング」で、この場合、列車が他の軌道部分に入ってしまうと脱線事故を起こしてしまうので、本線レールの内側に「ガードレール」が設けられています。
在来線のポイントはほとんどが固定クロッシングで、新幹線のポイントはほとんどが可動クロッシングです。

・可動クロッシング

[長所] 高速運転ができます。動揺がなく乗心地がよいです。
[短所] 保守が難しいので維持費がかかります。

・固定クロッシング

[長所] 可動クロッシングに比べて経費が安く、保守が簡単です。
[短所] 騒音、動揺、乗心地に劣ります。

【カントとスラック】

・カント

曲線のところで高速の列車が脱線しないよう、重心が内側に来るように傾きがつけてあります。
この傾きのこと。

・スラック

曲線で列車が軋まずにスムーズに曲がれるように、曲線部分では軌間が広めに取ってあります。
その軌間の拡大部分のこと。

※上記の2つは、両方とも列車が脱線しないようにわざと軌間を狂わせているので、軌間の「狂い」に含めません。

【バラストについて】

バラスト(砂利)は、直径20mm~60mmの石が使われています。それも適当ではなく、まず大きさごとに分けられ、それぞれの大きさを決められた比率により混ぜ合わせます。粒の大きなものばかりや、逆に粒の小さいものばかりであると、突き固めをしても良い具合に固まらないからです。
また、コンクリート生成には角の取れたバラストが適材ですが、鉄道用としては角の取れていないごつごつのバラストが望ましいです。

【スラブ軌道について】

スラブ軌道は、従来のバラスト軌道とは違ってコンクリートの平面板にレールを固定するものです。そのため軌道のゆがみも少なく、保守管理がしやすいです。(省力化軌道)しかし、騒音が問題となり、山陽新幹線では市街地部分がバラスト軌道となっています。

ここで一息

【レールが動く?!】

固定されているレールのはずなのに、レールが動くことがあります。複線で列車の進行方向にずれるというのであれば、列車が原因と考えることもできますが、そうとも限りません。2本あるレールのうち、片方は進行方向に、もう片方は進行方向とは反対側にずれるという場合もあります。この現象は決まった地点で発生することが多いので、地質が一因であるとも考えられますが、原因ははっきりしていません。この現象が起こると、マクラギが斜めになり軌間が狂ってしまうために補正が必要です。

上級編

【護輪ラバー】

踏切において、本線レールとガードレールの間の溝に足を取られないようにするために、ゴム製のもので溝の底上げが行われています。このゴム製の物体を「護輪ラバー」と呼んでいます。
これは、ある線において子供がこの溝に足が挟まって抜けなくなり、列車に轢かれたという痛ましい事故が教訓となり設置されました。

【スラブ軌道でレールの高低及び水準を調節する技術】

スラブ軌道でレールの高低及び水準を調節する技術は、レール固定部分に可変パッドと呼ばれる樹脂の入った袋を敷くことによって高低及び水準を調節しています。

広成建設では平成4年の夏、「片手水平上げ日本一」を宣言して、安全に配慮した行動の徹底を行っているかを確認する、列車巡回を始めました。

保線Q&A

現場に青いヘルメットの人と黄色いヘルメットの人がいますが、これには何か意味があるのですか?

広成建設では、列車見張員と工事管理者は青ヘルメットを着用しています。列車見張員の列車接近合図により全員が線路外に待避した時、作業グループの前後を、列車見張員と工事管理者でサンドイッチ状態にし、工事管理者が全員の安全を確認します。
この行動を「青ヘルサンド」とよんでいます。
これは青ヘルを「パン」に、黄ヘルの作業員を「サンドイッチの具」に見立てた、広成建設が考案した現場の安全行動の1つです。

現場の人たちがみんな手を横に上げていますが、これは何ですか?

線路外に待避後、青ヘルサンドの隊列で全員が列車を注視し、安定した姿勢で左手を水平に上げる。これは「片手水平上げ」といって、線路工事関係者全員が守らなければいけないルールです。この行動は、列車の運転士に安全に待避していることを気づいてもらうということ、そして自ら待避しているという意識を持ち続けることを目的としています。

作業現場を通過するときに、いつも最初に見える、白旗を掲げている人は、一人で何をしているの?

この人は、「列車見張員」といいます。道路の工事現場でいう交通整理員ですね。
数分間隔で運行する列車の合間を縫って行われる鉄道工事では、列車の通る線路や線路に近接した場所でも安全に作業ができるよう列車見張員を配置することになっています。
列車見張員は、列車ダイヤ(時刻表)を確認して、作業現場に列車が近づくと作業グループに、「列車接近中!待避してください」ということを知らせる大事な役目をもつ人です。列車は自動車と違ってレールの上を走るため、「工事中は回り道をしてもらう」なんていうことは出来ません。
また、列車は多くのお客さんを乗せて走っているわけですから、「時間どおりに運行する」ことは絶対に守らなければいけません。列車は自動車以上に急に止まることはできません。また目の前の線路上で作業員を見つけても、急ハンドルをきって避けるというわけにもいかないのです。
ですから、見張員にウッカリミスがあれば、作業員が列車に触れ(触車)多くの尊い命が失われることになり、無くてはならない存在です。

技術の継承

広成建設も同様に「団塊の世代」である線路技術者が退職する時期を迎え、線路保守技術の継承が大きな課題の一つと捉え、技術継承と新たな線路技術者の早期育成と線路工事従事者の技術レベルの維持向上を目的として2006年3月に「広成建設線路学園」を開設しました。その後2014年4月に人材育成を主務として人材開発室を本社経営企画本部に新設し、その組織下の位置づけとして「広成建設線路学園」を、運営主旨を継続した形で「新岩国研修センター」と名称変更しました。現在の研修施設は実務訓練を行う「新岩国研修センター」の実地訓練線(岩国保守基地)と、座学研修を行う「岩国研修センター」で構成されます。